全長84cmで翼を広げると170cmとトビよりも大きく、イヌワシと並んで森林生態系の頂点に立ち「森の王者」と呼ばれているとのこと。
クマタカはアジア地域にも生息しているが、日本のクマタカは別の亜種に分類されていて「日本固有種」だそうです。換言すれば「日本にしか生息していない種」であり、日本で守っていく必要性を痛感します。
その「日本クマタカ」の生息には最低でも4キロ四方の行動圏が必要とされ、生息環境は標高300m程度の低山帯から標高2000mの亜高山帯の森林まで幅広いそうである。
また、繁栄形態は1腹1卵(1回に1個の卵しか生まない)という特殊形態のため繁殖成功率は低く、更に親鳥は1〜2年をかけて幼鳥の世話をするので繁殖は2〜3年間隔になることが多いとのこと。
因に、広島クマタカ研究会によれば、繁殖が8年にやっと1回という例があったそうで驚きです。
環境省は「国内希少野生動植物」に指定し生息数1800羽と発表しているそうですが、環境の変化により数はもっと少なく更なる減少の一途をたどっているそうです。
しかし一方で、クマタカをあたかも「絶滅危惧種」的な視点で見るのは変であり、実態は比較的多く見られる猛禽である。とする記述もあり定かではありません。
どちらにしても、広い翼を広げて天空を優雅に飛翔する姿をいつまでも観たいものです。
クマタカは和名で「熊鷹」と書くが熊は力強いこと意味し、別名「角鷹」とも呼ばれているのは後頭部に短い冠羽があり、それが角張って見えることから付けられた名とのことです。
因に、英名は「hawk eagle」だそうで、正にワシタカではなくタカワシですね。
我々ピンボケカップルは(希少生物でも、そうでなくとも)何故かクマタカに興味を持ってしまい、高速料金(ケチなことを言ってはいけませんね)と片道2時間を掛けての現地まで3年前から約30回ほど行っていますが、意欲と金銭に対する神のおぼしめしも無く絵は無惨ですがご笑覧ください。
勿論、これからもクマタカを追って行こうと思っています。
余談ながら、この後に「飛翔するクマタカ」と題して動画を貼り付けました。合わせてご笑覧いただければ誠に幸甚です。
2羽が枯れ木に止まっていた。1時間ほど経過し1羽が飛び出したものの、もう1羽(右)は暫く動かなかった。これが繁殖の時であったことを切に願うところ。
余りにも遠く余りにも拙い絵なので、拡大しないで下さい(笑)。
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32〜33cmほどのキジバトより少し大きい程度の小型猛禽で、一応は(失礼!)タカ目ハヤブサ科だが飛翔する姿は一見すると蝶のようにヒラヒラ飛ぶこととホバリングが多い様な気がします。
それは、昆虫やトカゲなどを補食する習性からで、高速で飛ぶ必要が無いのかもしれません。
漢字では「長元坊」と書くように、少し変わった名の由来を調べてみると諸説あるようです。
凶作で苦しむ村に「長元坊」という旅の僧が来て、祈りによって村を救った後に亡くなった。実りの秋になると作物を確かめるように停空飛翔(ホバリング)する鷹がいて、それを見た村人たちが「長元坊」と呼ぶようになった。
または、昔々に「長元」という戒律を破った僧侶がいて道ばたでネズミやモグラを捕まえて食べていた。この僧侶に背格好が似ていることに加えて、食するシロモノが同じなので「長元坊」となった。
その他では、オスの頭部の色が長元というお坊さんが剃った頭に似ていることからきた名称とか、、、。
何にしても「坊」がつくので、お坊さんからきているようです。
また一方で、チョウゲンボウはネズミなどしか捕らず鷹匠が狩りに使えないため、役に立たないという意味で「馬糞鷹」という異名があるそうです。
しかし、尾の長さが体との比較では日本のワシタカ類の中では最長というスマートさと、猛禽に似ずキュートな顔立ちなのでちょっと可哀想な異名です。
尚、チョウゲンボウは生涯相手を変えないのか否かは参考書にもネットにもなかった。同じ科のハヤブサは生涯連れ添うとのことで、拙者ども夫婦のように(拙者どもは仕方なくですが)生涯相手を変えないのかもしれません。
余談ながら、この後に「チョウゲンボウの砂浴び」と題して動画を貼り付けました。
では、邪道なれど、少し加工してしまいました。
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カラスより少し大きめで、体型がずんぐりとした猛禽。
ノスリとトビは、他の猛禽に比べて比較的よく見られる。獲物のヘビやカエルが豊富なのか、それとも繁殖能力が優れているのか、どちらにしても「生物指標」の猛禽が繁殖していることは喜ばしいことです。
名の由来は、以前に何かの本で「野を擦るように飛ぶ」ことからノスリとなったと読んだような気がします。
しかし、いろいろ調べてみると、韓国語でタカ類の総称を「スリ」といい、それに日本語の「野」がついてノスリとなったもので「野を擦るように、、、」などと言う簡単なものではなく本来は韓国語であるという説があった。しかし一方で、ノスリの名は江戸時代からあったものであり、奈良時代から既に「のせ」と呼ばれたタカがいたことから韓国語の「ノのスリ」ではなく「ノをスル」になったという説。
どちらにも説得力があり、拙者などは「は〜、そうですか」と感心するばかりですが、とにかく勉強になったことは確かでした。
前述のごとく比較的よく見られる猛禽なので、カメラマンの皆さんは「あ〜ノスリか」と言って興味を示しませんが、我々はこれからも撮っていこうと思っています。
参考書「ワシタカ類(文一総合出版)」にあった「脇の暗褐色その他から雌と思われる」の絵に似ていたので、雌かもしれませんが定かではありません。
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チュウヒとハイイロチュウヒは鳥類学的には別物なのでしょうが、ここでは両者を一緒に貼付けました。
雄は48センチ雌は58センチとのことで、トビやツミなどと同じに猛禽の世界は「ノミの夫婦」が多い。トビなどと違う点は、V字形で飛翔することのほかに、日本では唯一地上に巣を作ることだそうである。
チュウヒの名の由来は「宙飛」とかだそうであるが、中空を飛ぶので「中飛」という説もあるとのこと。
参考書によれば「雌雄とも色彩変化が多く色々なパターンがあり、背面が灰色のものや頭部まで黒っぽいものなど個体差がある」そうで、次の項目のハチクマと同じように斑紋に関しては複雑怪奇な鳥さんのようで拙者などにはよく分かりません。
ハイイロチュウヒ。
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ハチクマと言えば、古典落語の八五郎と熊五郎という所謂「八つァん熊さん」であるが、こちらは勇猛果敢な猛禽で漢字では「八熊」ではなく「八角鷹」と書くそうである。
そのハチクマの名の由来は、姿形がクマタカに似ているが(小鳥から爬虫類も食べるものの)ハチを主食とするので付いたとのこと。
上面は褐色か黒褐色だが、下面は白から茶色さらに黒っぽいものまでさまざま。また、体下面に縦斑や横斑のあるものや全く斑の無いものもいる。「ワシタカ類ハンドブック(文一総合出版)」。
斑紋に関しては、かなり複雑怪奇な猛禽のようである。
とにかく、落語の八熊さんも粗忽ながら人情味たっぷりでカッコいいが、こちらの八熊(?)さんも首をちょっと長くして青空た飛翔する姿はカッコ良かったです。
20秒程度の、鳴きながら飛ぶ陳腐な動画を貼付けました。
オスの尾には太い2本の黒帯でメスは2〜3本の細い黒帯とのことなので、この写真はメスのようです。
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翼を広げると2mとオジロワシに次ぐ大きさで、タカでは最大と言われるクマタカよりも大きい。
この大型の猛禽が、獲物を狙って急降下するときは時速240キロとのこと。
この素晴らしい猛禽も、今は生息地の環境が狭められ(日本イヌワシ研究会によれば)日本の推定生息数は500羽。
換言すれば、500羽しかいない!。
正に壊滅的な危機状態であり、「幻の鳥」といわれるほど絶滅危惧種の中でも「超レッドリスト」種。
因に、イヌワシは文化財保護法及び種の保存法指定種とのこと。
尚、イヌワシは「ワシ」の名がつくが、分類的には「タカ目タカ科目イヌワシ属」とのこと。
ところで、「イヌ」の名の由来を調べてみましたら、イヌワシの尾羽が矢羽(弓矢の矢に使う)としての価値が低かったことから、「劣っている」とか「下級」とかの意味として名付けられたそうです。
また一方で、動物のイヌという意味の他に「大きい」という意味もあり「大きいワシ」という意味で名付けられたともありました。更に、イヌは漢字で「犬」の他に「狗」とも書き、猛スピードで天空を駆けるイヌワシの姿から天狗のモデルとも言われているそうです。
拙者は前者説よりも後者説がいいと思いますね。
ネット記事でも「遭遇難易度6」とか「見られる機会は少ない」等の記述もあるが、そのような貴重な猛禽を見られたことは我々夫婦はラッキーであったと思っています。
因に、このポイントは自宅から車で2時間ほど掛かる場所ではあるものの、1週間ほど通いましたが観られたのはこの時だけでした。
この絵は若鳥で、黒褐色の下面に風切りの基部の大きな白班が目立ち翼先の分離数は7枚(分一総合出版「ワシタカ類ハンドブック」より)。
成鳥よりも若鳥の方が、青空に白斑が映えて奇麗でしたね。
詭弁になりますが、ネット記事に「警戒心が強く遠くに小さく見えることが多い」とあった如く、可成りの天空であり400にテレコンでは鮮明に撮れませんでした。
駄作ですが、(貴重な猛禽と知り)同じ様な写真を何枚も貼付けてしまいました。
追記。日本イヌワシ研究会へ、目撃情報と写真を参考までにメールしたところ下記の様な返信がありました。
「昨年生まれの個体のようですが、時期的に生まれた場所から追い出され放浪の途中だったようです。このまま成鳥となるまで無事であって欲しいと思います」とのことでした。
なお、イヌワシの保護活動をしている組織のURLを添付します。拙者はこれを見て、イヌワシへの理解を深めようと思いました。
日本イヌワシ研究会 オフィシャルサイト
http://srge.info
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釣りは「鮒に始まり鮒で終わる」と言うが、野鳥撮影は「カワセミに始まりカワセミに終わる」と言えるのではないかと思います。
光沢のある青緑色は「清流のエメラルド」と言われる通り美しい小鳥で、我々もご多分に漏れず初めはカワセミでした。
カワセミは美しさに加えて、小魚を狙って水中にダイブすることも魅力の一つ。
全長17cm ほどで、 牡牝同色だが牝の下嘴は赤い。
尚、参考書(日本の野鳥・学習研究社)によれば、70年代には立川より東ではほとんど見られなかったが、また徐々に進出し95年ころには新宿より東でも繁殖するようになったとのこと。
今では「清流のエメラルド」ではなく「都会のエメラルド」と言えるかもしれません。
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ヤマセミとカワセミは同じ「プッポウソウ目カワセミ科」であり、名称も忍者同士の合い言葉のように「山」と「川」の違いだけ。
更に、狙う獲物もカワセミと同じに多くは小魚で、時には空中でホバリングをして獲物を見定める生態も同じ。
ただ、ヤマセミの色は白と黒であり、派手とも言えるカワセミに比べると地味な色である。
しかし、カワセミは都会の川や池に現れる様になったが、ヤマセミは依然として山地の渓流や湖沼に生息し都会には現れない。
ヤマセミとの出会いのチャンスが少ないという意味でも、野鳥フアンには根強い人気がある。
因に、漢字では「山翡翠」と書くが「山魚狗」とも書くとのこと。狗はイヌの意味であり、魚を捕る山犬という意味か?。
余談ながら、この地域一帯には7年ほど前から行っていますが、河川の工事やキャンプ場などの新設により彼等の住処は上流へ上流へと追いつめられています。
ヤマセミはペアか1羽で縄張りを作り、決まった餌場を持ち決まった枝や岩を止まり場にする(日本の野鳥・学習研究社)。
ということで、止まり場所を承知の上で行くのですが、河原はキャンプ場新設の工事中などがありました。
必要な河川工事は仕方ないとしても、月並みな言葉なれど自然を大事にしたいものです。
以前にも書きましたが、ある動物学者の言った言葉「自然は親から譲り受けた物ではなく、子供たちへの預かり物」。
全長はカワセミよりも大きい38センチ程で、牡はのどの下に薄い茶褐色の部分があり牝は翼の下に茶褐色の部分がある。
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野鳥は余り興味がなかったのだが、知人に勧められて2006年頃から撮影を始めました。
そして驚いたのは、吾が日本にも渡り鳥や留鳥を含めて多くの種類がいることだった。
更にまた、野鳥を追いかける多くのカメラマンがいることにも驚いた。
夏は炎天下のもとで汗を拭き拭き、冬は北風の吹く寒さの中で足踏みをしながら、何時そして何処に現れるとも分からない野鳥を待つ。
そして、知人が良い写真を撮れば機材も欲しくなり、上位機種への買い替えを数回。それも夫婦二人分であり、再度行きたい東アフリカへの旅を2〜3回出来るほどの資金投資をしてしまった。
しかし、良いこともある。
それは異なる渡り鳥が現れることによって、季節の変化を肌で感じ寒い冬でさえ待ち遠しく思えることである。そして何よりも、人は年齢とともに知人が減少していくというが、その逆に多くの野鳥追っかけカメラマンと知り合えたことである。
多くの方々が素晴らしい野鳥のブログを作っていて、その意味では恥ずかしい駄作凡作ですが宜しくお願いいたします。
鳥の名は野鳥図鑑や知人に聞いて記したが、間違っていましたらご教示ください。
ルリビタキ(瑠璃鶲)
図鑑では「完全に青い羽になった成鳥は少ない」とあるが、これは「完全な青」なのか。
海外へ行ったとき、意識的にではないが目に留まった野鳥を撮ってみました。
実はあまり野鳥には興味がなく、適当にアチコチ(27カ国ほど)徘徊しましたが見過ごしていました。
考えると、モッタイナイと思っています。
ガイドや現地の人に聞いたりしたが、その国での名称と(当然のことながら)日本での名称とは異なることが多く、その時はメモしたものの残念ながら忘却した。
ひとつの思い出として撮ってみたのだが、こうしてブログに載せるとなれば名称も記したい。
ただ、幸いにも世界のほとんどの野鳥は日本語の呼称があるので、ネット等で調べたり手元の図鑑などで分かる範囲のものは記しました。
然し乍ら、完璧ではなくどなたかご存知でしたらご教示願えれば幸甚です。
また、記した名称が間違っていましたら合わせてお願いいたします。
アオショウビン(ポカラ・ネパール)
これは山奥ではなく、ホテルの部屋から庭園にいる野鳥を撮ったもの。外に出て庭園まで行くと逃げてしまった。
「部屋から出ないでください」。ホテルの従業員の言葉ではなく、野鳥たちからのメッセージ。
ネパールには848種類の野鳥がいるとのことであり、野鳥好きの人たちには楽園と言えるかもしれない。