翼を広げると2mとオジロワシに次ぐ大きさで、タカでは最大と言われるクマタカよりも大きい。
この大型の猛禽が、獲物を狙って急降下するときは時速240キロとのこと。
この素晴らしい猛禽も、今は生息地の環境が狭められ(日本イヌワシ研究会によれば)日本の推定生息数は500羽。
換言すれば、500羽しかいない!。
正に壊滅的な危機状態であり、「幻の鳥」といわれるほど絶滅危惧種の中でも「超レッドリスト」種。
因に、イヌワシは文化財保護法及び種の保存法指定種とのこと。
尚、イヌワシは「ワシ」の名がつくが、分類的には「タカ目タカ科目イヌワシ属」とのこと。
ところで、「イヌ」の名の由来を調べてみましたら、イヌワシの尾羽が矢羽(弓矢の矢に使う)としての価値が低かったことから、「劣っている」とか「下級」とかの意味として名付けられたそうです。
また一方で、動物のイヌという意味の他に「大きい」という意味もあり「大きいワシ」という意味で名付けられたともありました。更に、イヌは漢字で「犬」の他に「狗」とも書き、猛スピードで天空を駆けるイヌワシの姿から天狗のモデルとも言われているそうです。
拙者は前者説よりも後者説がいいと思いますね。
ネット記事でも「遭遇難易度6」とか「見られる機会は少ない」等の記述もあるが、そのような貴重な猛禽を見られたことは我々夫婦はラッキーであったと思っています。
因に、このポイントは自宅から車で2時間ほど掛かる場所ではあるものの、1週間ほど通いましたが観られたのはこの時だけでした。
この絵は若鳥で、黒褐色の下面に風切りの基部の大きな白班が目立ち翼先の分離数は7枚(分一総合出版「ワシタカ類ハンドブック」より)。
成鳥よりも若鳥の方が、青空に白斑が映えて奇麗でしたね。
詭弁になりますが、ネット記事に「警戒心が強く遠くに小さく見えることが多い」とあった如く、可成りの天空であり400にテレコンでは鮮明に撮れませんでした。
駄作ですが、(貴重な猛禽と知り)同じ様な写真を何枚も貼付けてしまいました。
追記。日本イヌワシ研究会へ、目撃情報と写真を参考までにメールしたところ下記の様な返信がありました。
「昨年生まれの個体のようですが、時期的に生まれた場所から追い出され放浪の途中だったようです。このまま成鳥となるまで無事であって欲しいと思います」とのことでした。
なお、イヌワシの保護活動をしている組織のURLを添付します。拙者はこれを見て、イヌワシへの理解を深めようと思いました。
日本イヌワシ研究会 オフィシャルサイト
http://srge.info
山頂の向こう側から現れ、zisama&pamiを睥睨するように悠然と飛翔してから、またゆっくりと山頂の向こうへ消えてゆきました。
写真を撮りながら、立派に成長して多くの子孫を残して欲しいと思いました。
4月 032013
最終更新日: 2019/07/16