釣りは「鮒に始まり鮒で終わる」と言うが、野鳥撮影は「カワセミに始まりカワセミに終わる」と言えるのではないかと思います。
光沢のある青緑色は「清流のエメラルド」と言われる通り美しい小鳥で、我々もご多分に漏れず初めはカワセミでした。
カワセミは美しさに加えて、小魚を狙って水中にダイブすることも魅力の一つ。
全長17cm ほどで、 牡牝同色だが牝の下嘴は赤い。
尚、参考書(日本の野鳥・学習研究社)によれば、70年代には立川より東ではほとんど見られなかったが、また徐々に進出し95年ころには新宿より東でも繁殖するようになったとのこと。
今では「清流のエメラルド」ではなく「都会のエメラルド」と言えるかもしれません。
哺乳動物も鳥も、テリトリー確保と己の子孫を残すべく雌の確保のために戦う。
カワセミは奇麗で可愛い小鳥であるが、彼等もまた激しいバトルを繰り返す猛々しい一面を持っている。
そんな面に興味があり、意識的にバトルを狙って撮り続けてみた。
キュートなカワセミの壮絶なバトル。実は(勝手に)気に入っています。
勝者はメスにプレゼントをし、己の子孫を残せます。
婚約のプレゼント。
こちらでも結婚。
こちらでも。
しかし、振られて逃げられてしまう場合もあります。
そして、ヒナが孵りました。
少し大きくなり、枯葉を獲物と見立てて狩りの訓練。
ヒナは「ハラ減った〜」と泣き叫ぶ。
さ〜、子供達のために獲物をたくさん捕らねばなりません。
しかし、サギというコンペティターもいて、目の前で小魚を捕られてしまいました。
サギには出来ないホバリングで、獲物を見定める。
狙いが定まったら急降下。
水中50センチ近くまでダイビング。水中カメラではないので不鮮明ですが、目の前に小魚がたくさんいます。
目の前に獲物。
狩りの失敗集。
ちょっと一休み。
狩りの成功集。
獲物はザリガニの時もあり。
キントトの時もあり。
ヒナは食欲旺盛、給餌も頻繁に行わなければなりません。
しかし、こんな大物を飲み込めるのですか?。
獲物を獲ったが、大物すぎる場合も。
雛も大きくなりました。
そんな合間に、「樽回し」のような芸当もしたり。
「一本刀土俵入り」の一幕も演じます。
西日の中で曲芸的な食事をし・・・。
胃と同じ大きさの獲物も頂きま〜す。
では、大物を飲み込むまでの連続の絵です。
そして。消化できないものは吐き出します(ペリット)。
雛も大きくなり(左の胸が灰色)、親は自立を促しています。
「自分で餌を獲りなさい」と言ったところか。
では、カワセミの四季。先ずは春です。
暑い夏になりました。
秋です。物思いの季節。
そして冬。獲物が乏しくなる季節。
暑くとも寒くとも獲物が乏しくとも、彼等は力強く生きて行くと確信。
オマケ。
カワセミを追ってアチコチ徘徊したが、数年通った主なフィールドは幅3mほどの小川であった。
そんな小川に、ある年ナント鮎が遡上してきた。ここは海から20Kほどの距離であり、一級河川をのぼりそこから小川を数キロのぼりここまで来たのだ。その繁殖へ向けての生命力に驚いた。
3月 152013
最終更新日: 2018/11/26